協力者、徐々に増加 県「協働の森づくり」1年

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 寄付額は、団体が2447万円、個人90万円。1団体当たり年間20万~220万円で、11団体は2~5年の複数年、5団体は2回の協定を結んでいる。13市町の森林でスギやヒノキの間伐や植樹を行う協定で、既に14団体分の28・89ヘクタールで整備を終えてCO2吸収量証明書を交付している。

 森林整備は森林組合を通じた作業に加え、寄付団体の社員や家族も積極的に参加している。5月に社員や家族ら約30人が美馬市内の森林で間伐を体験したナカガワ・アド(美馬市)の中川和也社長は「事業を通じて地域に貢献できるだけでなく、社員らの環境保護意識も高まった」と話す。

 協力者が増える中で、さらなる事業普及の鍵を握るのが特定事業者の加入。県は特定事業者に、地球温暖化対策推進条例でCO2削減目標や削減実績の報告を義務付ける一方、事業で整備した森林のCO2吸収量を削減実績に算入できるカーボンオフセットを認めて加入を促している。

 特定事業者が事業に参加しなくても、削減目標さえ守られればCO2は減る。ただ、大企業中心の特定事業者が加われば整備できる森林が増え、PR効果も大きくなる。県は個別訪問などで参加を呼び掛けているが、厳しい経済情勢もあって加入をためらう団体もあるという。

 県林業振興課は「地道な勧誘で参加者は順調に増えている」とした上で、特定事業者の加入促進に向けては「企業訪問などの勧誘を強化し、参加企業の成果をPRするフォーラム開催も検討する」と話している。個人の寄付を活用した森林整備も今秋から始め、参加拡大を図る計画だ。
【写真説明】協働の森づくり事業で間伐に取り組むナカガワ・アドの社員ら=5月、美馬市脇町
<徳島新聞Web(2010.8.1)>


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