被災地支援 宮城に新工場 フロンティアジャパン、間伐材使い贈呈品製作

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2012.5.28 産経新聞

密集した森林を間引く作業から発生する「間伐材」を有効活用し企業向けノベルティーグッズ(贈呈品)を製作・販売する。そんな事業を手がけるフロンティアジャパン(東京都江東区)が、東日本大震災に伴う被災地の宮城県南三陸町に工場を設立した。東北の間伐材や被災住民の腕を生かしたグッズ作りを進め、経済復興を後押しする。

 設立したのは、「フロンティアジャパン南三陸工場」。廃校になった中学校校舎の約70平方メートルを活動拠点とし、グッズ製作に必要な生産機能を集積した。

 岩手や宮城県の森林組合から「杉の間伐材」を仕入れ主な材料としているが、津波の被害を受けた「杉材」も意欲的に利用している。これらの木材を加工してグッズに仕上げる。

 生産プロセスの一部に被災住民の労力を役立てた。男性1人を製造担当の正社員として採用したほか、仮設住宅に住む主婦ら約20人が袋詰めを行っている。

 工場設立の背景には「生きがいにつながる雇用の創出こそが地域を活気づける」という額賀泰尾(ぬかが・やすお)社長の思いがある。「現地の人々と一緒に汗を流したい」との心意気で、自身の住まいも東京から同町に移した。

 額賀社長は、「社会・環境問題の解決と自社事業の競争力向上を両立する流れが広まる」と読む。

 新潮流をにらみながら、間伐材グッズ事業の売上高を平成24年3月期の約1億6千万円から、将来的に10億円に引き上げたい考えだ。(臼井慎太郎)


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