細い間伐材使い住宅 甲賀市信楽森林組合が建築キット

甲賀市信楽森林組合(滋賀県甲賀市、岩永峯一代表理事組合長)は使いにくかった細い間伐材を有効利用できる建築キット「ココノマ」を製品化した。小径材を組み合わせて内部に柱を立てずに住宅や店舗、あずまやを建てられる。スギやヒノキなど部材の生産・供給体制を整え、2010年度中に発売する。

 9センチメートル角の角材と厚さ12ミリメートルの構造用合板を組み合わせた。屋根に張った角材が引っ張り合って荷重を4辺の壁に分散させる仕組み。内部に柱がなくても強度を保ち建築確認申請時に特殊な構造計算は不要という。

 森林利用促進事業として滋賀県の補助を受け、県立大の松岡拓公雄教授の研究室と梅沢建築構造研究所(東京・世田谷)が開発した。技術面などでゼネコンの秋村組(滋賀県近江八幡市)と住宅開発の地球の芽(同)が協力した。

 1辺5.4メートルと7.2メートルの2種類があり、あずまや向けの軒出し型と、居室用の軒なしの2タイプを用意した。現場で組み立てるだけで、大人2~3人で建てられるという。柱を減らせる分だけ割安になる見込み。価格は今後詰める。

 甲賀市が今秋開いた「信楽まちなか芸術祭」のインフォメーションセンターとして実証建築を展示した。
<日本経済新聞(2010.11.27)>


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