間伐材→OA用紙 コストや採算は?

k_img_render.php◎東吉野の民有林で実証実験
 地球温暖化防止のため、間伐材をOA用紙に加工する実証実験が21日、東吉野村麦谷の民有林で始まった。宗教者や林業関係者らが結成した「NPO紀伊半島の美しい森林づくり協議会」(田中利典理事長)が事業化を目指し、1週間で約50トンを搬出して製紙工場で紙に加工してコストや採算を検証する。
 この日は、金峯山寺執行長でもある田中理事長らが山伏姿で安全を祈願した後、木材運搬用のケーブルで長さ3~4メートルに切られた間伐材を森から運び出した。実験をする森林は約5ヘクタール。標高約900メートルの樹齢約45年のスギ林だ。
 現在、建築資材用に売れる木材だけがヘリコプターで搬出され、間伐された樹木はそのまま森林に残される「捨て切り」が一般的だ。
 しかし、二酸化炭素(CO₂)を吸収する健全な森林を育てるには、間伐材の利用促進が必要とする政府の方針もあり、製紙への利用を模索しようと8月にNPOが結成された。国の「グリーン購入制度」を使って、県内の自治体や企業に普通の紙より5%程度を上乗せした価格で買ってもらい、森林の保全や林業の振興に役立てようと狙う。
 同協議会は「将来は和歌山や三重にも広げ、紀伊半島全体でこの形の間伐材活用を定着させたい」という。
<asahi.com MY TOWN 奈良(2010.9.22)>


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