間伐材利用し地域通貨 智頭町が「杉小判」発行

杉の町として知られる鳥取県智頭町は10月から、山に放置された間伐材を運んでチップにした人に対し、間伐材1トン当たり6千円分の地域通貨「杉小判」を発行して町内の商店で使ってもらう「木の宿場」事業を始める。頭を悩ましている間伐材の有効利用と、地域経済の活性化が狙い。間伐材を利用した地域通貨の発行は、県内では初めてとなる。

 山の間伐材は軽トラックで運び、町内の数カ所に設けられたストックヤードに集積してチップにする。

 チップにする間伐材の値段は1トン当たり2~3千円が相場だが、これに町などからの補助金を加えて1トン当たり6千円とし、地域通貨「杉小判」を発行する。

 「杉小判」は1枚千円の価値があり、町内の登録商店などで利用できる。現金との併用はできないが、試験的に10月16日から1カ月ほど実施し、効果を検証する。

 同町の百人委員会農林業部会が、高知県いの町などの先進例を参考に検討。百人委などで構成する「木の宿場実行委員会」(綾木章太郎委員長)を組織して運営する考え。

 同町建設農林課の山本進参事は「間伐材を運んで汗をかけばお金になり、山がきれいになる。商店街を含めた地域活性化につながれば」と話している。
<日本海新聞(2010.917)>


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