子らと学ぶ「森と水」

2012年03月17日
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富山県高岡市にある「ショウワノート」と法政大、富山県立大の学生が、富山に集
まって合同で環境学習会と植樹式を年1回、開いています。ショウワノートと言えば
「ジャポニカ学習帳」。小学校の頃、お世話になった方も多いと思います。富山を代表する文具ブランド商品の会社です。
2009年に始まった産学による環境学習会と植樹式は、丸3年を迎えます。この
事業は、当時、法政大大学院で演習を担当していた鶴田佳史先生のゼミ生に、ショウワノート社員の息子さんが在籍していたことから始まりました。
ちょうど多くの企業が環境に配慮した経営を模索していた時代背景や、片岸茂社長
の強い思いと協力もあり、東京で産学協同のワークショップを開くことになりました。そ
んな折、環境教育を専門にする私が富山県立大に赴任し、東京と富山の橋渡し役になりました。
環境問題を考える「人の輪」が、東京と富山、学生と企業の間で出来上がったので
す。

今回で3回目になる環境学習会は、17日に高岡市のおとぎの森公園であります。
県内の小学生50人余が集まり、大学生20人が学生自らが考えた環境学習プログ
ラムを、小学生とともに体験します。
プログラムの内容は「里山と私たち」「森林や木について考えよう」など。富山ら
しい森や里山と生態系のかかわりあいに「気づいてもらえる」力作ぞろいです。
学習方法は「聞くだけ、知るだけ」の方法ではなく、クイズやポスターを使って小
学生が自分で考え、気づき、そして環境問題を「自分の問題」にできるよう工夫された体
験学習法になっています。
学習会と同時に、小学生と一緒に植樹もします。09年には高岡市のおとぎの森
で、10年には南砺市のイオックス・アローザで植樹してきました。09年に植樹した
木は3年間の風雨、大雪にもめげず、すくすくと育っています。子どもたちが成人する
ころには立派な木になって新しい生態系を育んでいることでしょう。

朝日新聞


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