三重の間伐材、中電で燃料に

2012年2月23日

chip2三重県と中部電力は、県産の間伐材で製造したチップを発電用の木質バイオマス燃料として使うための実証試験に初めて乗り出す。三重県は年間1万トンの供給を目指しており「山に放置されている間伐材を活用できれば利益を山に還元でき、林業の振興や間伐の促進につながる」と期待している。
 中電碧南火力発電所(愛知県碧南市)は環境負荷の低減を目的に、2010年9月から、年間30万トンのカナダ産チップと石炭を燃料に発電している。このため三重県は県産チップの活用策を中電と検討。今回の実験では29日から3月4日まで、スギ、ヒノキの県産チップ計50トンを使う。中電は、チップの細かさや燃焼性能などの品質を調査。安定供給できるかなども検討して判断する。
 県によると、チップを製造するのは県内の製材業者などでつくる「ウッドピア木質バイオマス利用協同組合」(三重県松阪市)。チップの原料となる間伐材の搬出に経費がかかるため、間伐材を提供する森林組合などを県が新年度から金銭面で支援し、ウッドピアが原料を安定確保できる仕組みをつくる。ウッドピアは年間1万トンのチップを製造し、中電に販売する計画だが、価格は未定。

中日新聞


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