スギ間伐材で暖かく 喫茶店に針葉樹用まきストーブ

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2012.2.18 紀伊民報

スギ間伐材を暖房に活用しようと、和歌山県田辺市上秋津の喫茶店「いこら茶屋」が針葉樹カラマツ用のまきストーブを導入した。長野県の環境団体が推奨しているストーブで、県内では初めての導入という。

 カラマツストーブは、カラマツ人工林が多くを占める長野県で開発された。材木としての需要低迷や荒廃問題を抱えるカラマツの活用法として普及が進められている。広葉樹のまきを使う鋳物の外国製に対し、針葉樹は燃やすと広葉樹より燃焼温度が高温になるため、耐久性を考慮して鋼鉄製で作られているのが特徴。

 上秋津出身で、環境団体「カラマツストーブで森を守る会」(長野県佐久市)の小郷毅さん(60)=同市=が、旧友の喫茶店主田中淳夫さん(59)に勧め、環境保全の一助になればと田中さんが購入した。

 小郷さんは「以前、和歌山の森林組合関係者から間伐材利用の状況を聞いていた。東日本大震災を機にエネルギー問題について考えていた田中さんが自分たちの趣旨に賛同してくれた」と語る。

 16日、守る会の4人がストーブを店内に運び込み、煙突を取り付けた。ストーブ本体は縦30センチ、横30センチ、奥行き80センチ。

 設置後、まきを入れて火を付けると、客らは「すぐに暖かくなった」と興味を示した。ストーブは調理にも使え、早速ピザを焼いた。田中さんは今後自分でスギのまきを調達し、約40平方メートルの店内の暖房にするという。

 守る会によると、佐久市ではカラマツストーブがおよそ200台使われており、役場や保養施設でも導入されているという。同会は「天然の木材であれば何でもまきとして使うことができる。和歌山も森林面積が大きい県なので、活用してもらえたら」と話している。


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