放置竹林の間伐竹を骨組みにした環境に優しいビニールハウスを、市民団体とNPO法人が滋賀県近江八幡市で相次いで建設中だ。竹林による侵食から里山を守ることにつながる。
市民団体「八幡酒蔵工房」は近江八幡市円山町の休耕地で竹製ビニールハウスを建設中。初日の1月27日には八幡山の放置竹林を間伐しているボランティア団体と共に、青竹をボルトでつないでハウスの壁を作った。
ハウスは竹86本を使い、材料費はボルト代など約2万円という。間口3・6メートル、奥行き6メートル、高さ3メートル。八幡酒蔵工房は間伐竹の活用を進めており、「使う量が多い」と期待している。4月に完成させ、トマトとメロンを栽培する。
有機農業に取り組むNPO法人「百菜劇場」も、活動拠点の近江八幡市北之庄町の農園で昨年12月から、竹製ビニールハウスを建てている。
全国的に、住民の高齢化などで放置された竹林が広葉樹林や田畑を侵食し、問題になっている。竹の間伐や、切った竹の使い道が課題だった。
百菜劇場代表の根津暁子さん(31)は「竹林整備や竹材利用のきっかけになれば。近江八幡の活動をモデルケースにして全国に普及させたい」と話している。