道路のり面、崩壊の危機 張った間伐材腐食進む

PK2010100902100042_size0県産材の積極活用と景観美化を狙いに、県が各地の道路のり面に張った間伐材の腐食が進み、崩壊が進んでいる。大部分が崩れて全面撤去した地域もあり、根本的な対策が求められている。
 関市上之保の県道美濃加茂和良線。山肌を削り取り、コンクリートで補強した斜面の上に、幅約250メートル、高さ1・5~3・5メートルにわたって、直径十数センチの丸太が横並びに張られている。
 しかし、黒ずんだのり面の所々で間伐材が抜け落ち、手で触るとぼろぼろと崩れる。さび付いたくぎがあらわになった部分も。木くずが積もって養分となり、夏場には雑草が生い茂るため、地域住民が年に数回ほどボランティアで草刈りに追われている。住民の一人は「歩道の利用者にとっては、安全面への不安もある」と話す。
 県道路維持課によると、同様に間伐材で覆われたのり面は、県が管理する国道と県道に計113カ所ある。いずれも2002~03年度の2年間に設置され、立地条件によって差異はあるが、大部分で耐用年数が切れているとみられる。山県市の国道418号のように、間伐材を全面撤去した例も数件ある。
 しかし、大々的な撤去には予算を組み直す必要もあるため、多くの個所で部分的な補修や通常の道路パトロールによる危険部分の回収にとどまっているのが現状だ。
 同課の担当者は「撤去するのか張り替えるのか、根本的な対策を練る時期に来ている。危険な個所を見かけたら最寄りの土木事務所に知らせてほしい」と話している。
 (中尾吟)
<中日新聞(2010.10.9)>


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