松阪市の山林保有者らでつくる松阪飯南森林組合(松阪市伊勢寺町)が、県産のヒノキの間伐材を有効利用しようと、家具調のバイクスタンド(自転車スタンド)を商品化した。ホームページを見た人などからの問い合わせの電話は多いが、売り上げにつながるケースが少ないため、同組合は、弾みをつけようと、名張市で2日に開かれるイベントに実物を出展する。(中津川健男)
このスタンドは、高さ約125センチ、幅約60センチ、奥行き約55センチ。自転車の車体を乗せるハンガー部分は金属製で、重さは約10キロ。20キロまでの自転車を乗せられる。
考案、商品化したのは、同組合加工販売課の奥井克行さん(35)。高価な自転車を持つ愛好家が増える一方で、アパートやマンションなどの駐輪場に置くと盗難の恐れがあるという声があることに着目した。
岐阜県神戸町の自転車部品関連メーカー「簑浦」の協力を得て設計し、周囲の調度品にも溶け込むよう、天然ヒノキのぬくもりを感じさせるようにしたほか、部屋を汚さないよう、外を走って汚れたタイヤが床に触れないように工夫した。
1万2600円と手頃な価格に設定し、同組合のネットショップ「木望家(きぼうや)」などで、「自転車をインテリアの一部として部屋に飾ってみては」と提言しながら7月からPRしている。奥井さんも「木の質感が、リビングに飾る自転車を引き立てる」と満足の出来だが、販売できたのは30日現在で3台だけ。
同組合は、認知度を高めようと、県主催の「三重の森林と木づかいフェア」への出展を決めた。同フェアは、県産材のPRなどを目的に、名張市夏見の市総合体育館で開かれる。同組合は、「実際に見てもらえれば、自転車ごと部屋に置くイメージを持ってもらえるのでは」と期待している。奥井さんには、場所を取らない縦がけタイプなどを開発する希望もある。
このスタンドの問い合わせは同組合(0598・58・0265)へ。