香川県小豆島町は本年度から、出生届を提出した町民に赤ちゃんへのメッセージを書き込めるカードと、親子の思い出を詰められる木箱を贈る取り組みを始めた。カードは、地元の風景写真を使って小中学生とアーティストが制作。木箱には母子手帳など子の成長を示す大切な品物を収め、島で生まれ育った思い出が詰まった“宝箱”にしてもらう。
町は新たな命を歓迎する思いを形にしようと「小豆(あずき)っこ誕生プロジェクト」を立ち上げ、出産への贈り物を検討。2013年の瀬戸内国際芸術祭に参加した島ゆかりのアーティスト、岡村美紀さん(24)=同町=と赤井佑輔さん(26)=大阪市=が協力した。
昨年10月に町内の小中学生約10人が参加してワークショップを実施。「生まれてくる子どもに見せたい小豆島の風景」をテーマに、オリーブ公園をはじめ町内の名所の写真に絵を描くなどして9枚のカードに仕上げた。裏面は白紙で、親が子の節目ごとに思いを書くなど自由に使える。
木箱は横21センチ、縦16センチ。カードのほか、町が発行する母子手帳や内海病院からもらえるへその緒入れがすっぽりと収まるサイズにした。水引をイメージした紙袋に入れ、出生届を受け付けた際に手渡す。
13日には、長男の誕生を届け出た高校教諭、杉吉勇輝さん(32)に初めてのプレゼントが贈られた。杉吉さんは「子どもの名前の由来を書き残したい。将来子どもには、魅力いっぱいの場所で生まれ育ったことを伝えます」と話した。