間伐材で輸送用パレット 京都産チップで加工・販売

103457GG3MWW4WNH_l京都府京丹波町市場の木材加工場で今年4月から、精華町のベンチャー企業が京都産間伐材のチップを原料にして、フォークリフトなどを使った輸送用の台(パレット)の製造、販売を始めている。府森林組合連合会と協力し、山林に放棄されている枝葉などの資源活用に力を入れている。

物流資材製造会社「エースジャパン」が、同連合会の和知作業所の一部を借りて運営する事業。府や連合会の補助を受けながら2012年から2年間の実証実験を行い、4月から受注生産を始めた。

山林の間伐作業では商品価値のない枝葉や細い幹など未利用材が発生し、そのまま山に放置されるケースが多かった。森林資源の有効活用のために同社が開発。連合会は森林組合と同社の仲介をして原材料を提供する形で協力した。連合会によると「こうした協力は全国的にも珍しい」という。

パレットは縦横110センチ。用途に応じて3種類を製造している。原料の間伐材は府中北部の森林組合の作業現場から回収してチップ状に粉砕。乾燥させたものを接着剤と混ぜ合わせ、圧縮して接合する。静止状態ならば最大3トンの荷重に耐えられるという。

パレットは現在、プラスチック製や木製が主流。新しく開発されたパレットは既存のものに比べ、石油価格の影響を受けにくいことや接合部の劣化が少ないことが特徴で、粉砕してからの再加工や燃料への利用も可能という。

6月末までに約700枚を府内外で販売。取引先の拡大とともに回収とリサイクルのシステムも構築していくという。同社の判藤慶太社長は「耐久性から見て2年後には回収とリサイクルが本格的に始まる。そこからが本番」と話した。

京都新聞