楽天は3日、イヌワシが生息する森林を再生し生息環境を守る取り組み「楽天の森」を、東北6県で展開すると発表した。各県などと協定を結んで間伐や啓発活動を進めるほか、酒田市ではイヌワシの生態調査も行う。2015年度以降、森林保全活動は全国に広げる。
楽天と山形県によると、鳥海山麓の酒田市升田地区では県林業公社の造林地12ヘクタールを対象に、間伐や下草刈りなどを実施する。イヌワシ調査に実績がある山形大農学部と協力し、定点的な行動観察、餌となる小動物調査、植生変化などについてデータを収集し、専用のホームページ(HP)で公開する。事業期間は5年を予定する。
他の5県ではそれぞれ1ヘクタール以上の森林を設定し、3年間にわたって間伐などを行う。
楽天は、プロ野球東北楽天のマスコット「クラッチ」が国の絶滅危惧種イヌワシをモデルにしていることから、12年に「イヌワシを守ろうプロジェクト」を開始し、啓発活動を行ってきた。「楽天の森」はプロジェクトの実践活動との位置づけで、地域住民と協力し、イヌワシと森林の保全をより積極的に支援していく。
事業費は楽天が拠出するほか、インターネットの仮想商店街「楽天市場」で使う1個1円の専用段ボールを用意し、協賛事業者から寄付を募る。一般からも専用HPで募金を受け付ける。
楽天は今月中に協定を結び、8月にも各地で活動を始める。酒田市以外の「楽天の森」の候補地域は以下の通り。
青森 弘前市百沢東岩木山▽岩手 葛巻町葛巻▽宮城 女川町浦宿浜▽秋田 鹿角市十和田瀬田石▽福島 相馬市山上縄谷