過密林間伐に指針 手引書を作製、普及図る【岐阜】

201406210947_22750岐阜県美濃市曽代の県森林研究所と森林文化アカデミーは、手入れが行われず樹木が過度に密集した「過密林」の間伐指針をまとめた。この指針を推し進めるための手引書が作製されており、現場技術者などへの普及に努めている。

放置され、間伐されないまま高齢化した人工林は過密林となり、幹が折れるなどして、木材価値の低下を引き起こす。日射を妨げるため、下層植物が育たず、土砂崩れが発生するリスクが高まるという。過密林には細い木と太い木が混在。間伐方法としては、成長の見込みがある太い木を残し、形の悪い木や細い木を選んで伐採する手法が効果的だという。

手引書では、森林内の樹木の密度を判定する密度管理カードなどで現状を把握し、今後の目標を設定した上で、適切な間伐方法の選択を推奨。コストなどの要素も取り入れ、現場の状況に応じた間伐方法の選定フローを挙げている。

岐阜県森林研究所の渡邉仁志専門研究員(40)は「森林を維持していくためには、適切な管理が必要。多くの人に参考にしてもらいたい」と話す。

手引書は希望者に無料で頒布(送料は別途必要)。詳しくは岐阜県森林研究所、電話0575(33)2585。

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