大阪市住之江区のNPO法人「イー・ビーイング」(井上健雄理事長)が「森とつながる」セミナーを28日からシリーズでスタートさせる。コンセプトは「都会にいて、森を思い、森の恩恵を知り、森を体験する」。地球温暖化を背景に、里山体験を通じて森林が守る生物多様性を知り、身近な視点から「カーボンオフセット」についても探っていく。
イー・ビーイングが奈良県川上村で実施した林業がテーマの実地研修(イー・ビーイング提供)
同NPO法人はこれまで林業をテーマにした農商工連携人材の育成研修などに取り組んでおり、今回は5回シリーズで森林について学べるようにする。
第1回のテーマは「ホタル舞う里山の宿泊体験」。金剛生駒紀泉国定公園内にある環境教育施設、紀泉わいわい村(泉南市)で、夜の森やホタルが飛び交う水辺、鳥の声など自然の観察を主眼に置き、薪、炭を使った調理やいろり、五右衛門風呂の体験、夜の里山でホタルを観賞するなど自然に親しむ。
また、座学では滋賀県立大学の仁連孝昭副学長(エコロジー経済学)が「森林が守る生物多様性」、大阪府みどり公社の高見勝重参事が、別の削減活動への投資などにより温室効果ガスを埋め合わせる考え方「カーボンオフセットについて」をテーマに講師を務める。
森や自然に関心があれば誰でも参加でき、同NPO法人の井上明子チーフプランナーは「まちに住んでいると森林の役割に触れる機会は少ない。頭で考えるだけではなく、楽しさや匂いを体験してほしい」と参加を呼び掛けている。
第1回は28、29の両日で、集合は住之江区のおおさかATCグリーンエコプラザ。第2回=8月30、31日、河内長野市(滝畑ふるさとの森文化センターなど)▽第3回=10月4、5日、奈良県吉野町(250年の森、土砂災害の森など)▽第4回=11月、府内(生駒花屏風ハイキングなど)▽第5回=12月6日、河内長野市(樹木伐採見学、間伐体験など)-。2015年1月ごろには、森林と都会の生活をテーマに、関連したシンポジウムを開く予定。問い合わせは電話06(6614)1731、同NPO法人へ。