県産スギ期待の星 研究成果発表会【静岡】

PK2014053102100002_size0静岡県農林技術研究所の森林林業研究センター(浜松市浜北区根堅)で三十日、研究成果発表会があり、県産スギの次世代を担う「静岡型エリートツリー」の開発状況などが紹介された。

研究員十四人が木材林産、森林育成の両分野で、現場で活用できるそれぞれの研究成果を発表した。行政や業界から約六十人が聴講し、質疑応答があった。

エリートツリーは、戦後に各地で大量植林されたスギなどが伐採時期にさしかかっていることから、植え替え主力として品種開発が進められている。静岡型は成長力、優れた材質、花粉の少ないことが必要とされ、袴田哲司研究員らが取り組みを紹介した。

「大井7号」「中4号」両品種を交配した無花粉木の挿し木の調査では、約六十の調査個体のうち四個体が樹高、直径、根元径など各項目で優秀な成績(五段階で4以上)だったという。

「これらは相対的に成長または強度が優れる無花粉スギとして有望」と発表した。今後はさらに他品種との比較調査を進めながら、増殖した挿し木苗の一部は天竜高校の演習林や国有林へも植栽していく方針だ。

(正木徹)

中日新聞