山や森が大好きという人たちが集まった集団。発足したのは2005年。県が森林ボランティアを養成するために開いた、フォレスターズスクールがきっかけだった。
そこで、森林保全のための理論や技術などを学んだ修了生有志が、「このまま終わるのはもったいない。継続して森を守る手伝いができないか」と、フォレスターズかがわを立ち上げた。
フォレスターは「森に住む人」「森をはぐくむ人」などの意味があり、このグループは「森の新鮮な空気を吸いたい」「木を伐(き)りたい」「多くの人と話がしたい」など、いろいろな動機で集まった楽しいグループだ。
現役をリタイアした人が、およそ7割。82歳が最高齢で、30歳代もいる。平均年齢は60歳ちょっと、女性も6人いる。
現在、琴南の県有林など3カ所で、それぞれ月1回の森林ボランティアを行っている。ヒノキの間伐や枝打ちなどが主な作業だ。
正会員は40人近くいるが、ボランティアの1回の参加者は8人前後。メンバーが自由に参加し、マイペースで四季を体で受け止めながら作業に励んでいる。
事務局長の増田孝夫さんは「体調不良やストレスが森林ボランティアで治ったという声もある。自然の中に入って健康になり、介護や医療の問題にも貢献できるとなると、うれしいですね」と笑顔で話す。
森林ボランティアのほか、先進地の視察や里山ふれあいイベントの開催のほか、保育所や幼稚園に間伐材のヒノキの輪切りを持ち込み、自然の大切さを園児たちに伝える「里山ふれあいプロジェクト」が好評。昨年は23園で開くなど、活動の場を広げている。
現在、発足当時のメンバーの半分は退いているが、会員数はほとんど変わらず、新陳代謝が十分に図られている頼もしいグループだ。
グループメモ
団体名 NPO法人フォレスターズかがわ
設 立 2005年8月
会 員 39人(賛助会員64人)
代 表 北川紀吉
活動日 国営讃岐まんのう公園や屋島、琴南の県有林で月1回の森林ボランティアのほか、里山ふれあいプロジェクトなどを開催。
問い合わせ 事務局長の増田さん〈0877(79)2922〉
ひとこと
森林と関わる人生を
北川紀吉代表の話 フォレスターズかがわの理念は「森は未来からの預かりもの」。森林を育てて守って行く大切さを、これからの世代に伝えていくことが、私たちの役割です。自然が好きで森林と関わる人生を送ってみたい人は、ぜひフォレスターズかがわの門をたたいてほしい。
5月4日は「みどりの日」。「自然に親しむとともに、その恩恵に感謝し、豊かな心をはぐくむ」ことを趣旨としている。県内には、フォレスターズかがわのほかにも、森林ボランティア団体がたくさんある。放置されている森林が増えている中、その活動を見ていると、私たちにとって、森は大切な資源であることをあらためて教えてくれる頼もしい助っ人たちだ。
シニア編集室 池本正文