長野県飯田下伊那地方の豊富な森林資源を生かそうと、間伐材などを活用する取り組みが広がっている。下伊那郡高森町は16日にまき作りの体験会を開き、来年度からはまき割り機の貸し出しも予定。下伊那郡阿智村や飯田市でも住民グループなどが木材利用事業を進め、同郡根羽村は間伐木を搬出した人に地域通貨を発行して活動を広げようとしている。
高森町の体験会には住民ら22人が参加し、道路が日陰にならないよう伐採したクヌギやコナラなどでまきを作った。町が本年度導入したまき割り機などを使い、県職員らはチェーンソーで丸太を切る方法などを指導した。
自宅でまきストーブを使っている高森町牛牧の大蔵節子さん(65)はまき割り機を体験し、「力が要らず、思ったより楽に割ることができた」。町産業課の中平俊行さん(34)は「間伐材などの利用を進め、景観も良くしたい」と話していた。
阿智村の有志らでつくる「阿智村山づくりの会」は、間伐材などのまきを村内の温泉施設のボイラー燃料などにしようと計画。7月から集材を促す催しを始め、木を提供してくれた人には原則として1トンにつき現金3千円と商品券3千円を渡している。
根羽村森林組合や同村商工会などでつくる実行委員会は、10月に間伐木を集める「木の駅」の運営を始めた。1立方メートルにつき、地域通貨券「ねばね森(もり)券」を4500円分発行する仕組み。飯田市のNPO法人「いいだ自然エネルギーネット山法師(やまぼうし)」は来年、林業に関心のある人を募って地元の山から切り出した木の加工、販売を始める予定だ。
(提供:信濃毎日新聞)