温泉に薪ボイラー 三好市、間伐材活用し燃料費削減 【徳島】

200_WFwRK6sO徳島県三好市は、市有温泉5施設の熱源に、薪(まき)を使ったバイオマスボイラーの設置を進めている。重油やガスを使った従来のボイラーに比べて燃料費を約3割削減でき、間伐材など森林資源の有効活用につなげるのが狙い。公有温泉で薪ボイラーを導入するのは県内初で15日には、第1号となる三好市池田町の松尾川温泉で火入れ式が行われ、稼働を始めた。

導入するのは松尾川温泉のほか、いやしの温泉郷、ホテル秘境の湯、サンリバー大歩危、紅葉温泉で、計15基を設置する。4施設は設置工事中で、2013年度中に完了する。総事業費約2億2600万円の半分は、県の森林整備加速化・林業飛躍事業の補助を受けた。

5施設は源泉を加熱する際、重油やガスを燃料にしたボイラーを使用してきた。薪ボイラー導入後、従来のボイラーと併用することで重油などの年間使用量は52万4663リットルから11万2965リットルに減る。薪を含めた燃料費は4525万円から3067万円に削減できる見込み。

薪はスギやヒノキの間伐材などを年間1278トン使用する計画。三好市山城町にある第三セクター・山城もくもくに木材の加工・保管施設を整備済みで、同社から必要量の7割以上を購入し、民間業者からも買い取る。

三好市は09年にバイオマスタウン構想で国の認定を受け、市有温泉施設へのバイオマスボイラー導入を検討。チップやペレットなど木質燃料を比較した結果、加工が容易でコストを抑えられる薪を選んだ。

15日の火入れ式は県や市の関係者ら15人が出席。神事で安全な稼働を祈願し、黒川征一市長が薪ボイラーに点火した。黒川市長は「自然と共生する第一歩としたい」と述べた。

徳島新聞