愛知県名古屋市の自然環境整備団体・森林自由クラブが十五日、紀北町紀伊長島区の熊野古道始神(はじかみ)峠で、朽ちた木橋の架け替えや枯れ木除去に汗を流した。地元の古道保全団体の高齢化が進んでおり、大掛かりな補修に合わせて助っ人を買って出た。
森林自由クラブの瀬古文男代表(66)ら十五人と、地元の始神峠を守る会の有志、多気町の熊野古道女鬼(めき)峠保存会の奥村清司さん(57)、紀北町の海山熊野古道の会の柴田洋巳さん(72)ら計二十人余が参加。地元の森林組合から提供された木材をチェーンソーで切り、沢を渡る長さ約五メートルの橋を設置した。
始神峠を守る会の鈴木兼雄会長(84)は「お年寄りばかりの会員だけでは、古道の補修はままならない。森林自由クラブに来てもらったおかげで景観が整い、歩きやすくなった」と喜んだ。
始神峠は、熊野灘を臨む約二時間の道のりで、一部は世界遺産に登録されている。森林自由クラブは、二〇一一年三月ごろから紀北町内各地の熊野古道で、立ち枯れした木の伐採などに取り組んでいる。