那珂川町で木の駅プロジェクト始動 間伐の残材引き取り地域通貨を発券【栃木県】

J201312150047_R山林に放置された間伐材などの林地残材を引き取り、地元の商店で利用できる地域通貨券を発行する「那珂川町木の駅プロジェクトばとう」の実証試験が15日、那珂川町内でスタートした。木の駅プロジェクトは全国約30地域で実施されており、本県では初めてで、新たな地域活性化策として注目される。

同プロジェクトは2009年に岐阜県恵那市で開始。山に放置されがちな間伐材などの林地残材を山林所有者から引き取り、地元の店でしか利用できない地域通貨を発行することで、山林の間伐促進と地域経済活性化を同時に図る取り組み。鳥取や愛知、茨城など各県に広がっている。

那珂川町では、隣接する茨城県常陸大宮市美和地区のプロジェクトを参考に、2年前から検討を開始。町内の山林所有者や、那珂川町大山田下郷の旧馬頭東中跡で木材加工を手掛ける県北木材協同組合などが「那珂川町木の駅プロジェクトばとう」実行委員会を立ち上げ、準備を進めてきた。

実証試験は、林地残材の搬入、地域通貨「地域振興券森の恵」の発行、同券の利用などの一連のサイクルを確認する目的。具体的には来年3月までの約3カ月間、同実行委が残材1トンを6千円で引き取り、1枚500円の同券を発行し、地元の商店44店で3月末までの期間限定で利用できる。地域振興のため大型店やコンビニでは使えない。

残材搬入は、安全講習を受けた同町馬頭地区内の山林所有者ら約20人。実証試験を踏まえ来年8月をめどに、残材搬入対象者を全町に広げ、正式事業化したい考えだ。

下野新聞SOON