秋田県、15年度から研修創設 若手林業者育成へ本腰

20131212021jd林業の新しい技術や知識を習得した若手後継者を育成しようと、秋田県は2015年度に2年制の研修制度を創設する方針を固めた。来年2月の県議会に関連の条例案や予算案を提出し、可決されれば9月から募集を始める。県によると、新たに林業に就く技能者を育成する研修制度は北海道・東北で初めて。

県内の林業従事者は約1700人。高齢化が進み、60歳以上が4割を占める。年140人程度の新規就業者は建設や製造など他業種からの転職者が大半で、新卒者は10%に満たない。学校形式の研修制度をつくり、若年層の就職を後押しする。

研修内容は、様変わりする林業現場にも対応する。低コスト、省人化で伐採から枝払い、丸太のカットまでできる高性能林業機械の普及に合わせ、高度な操作技術の習得は研修の柱の一つだ。

山全体を見渡した伐採計画の立案や林内作業道の設計、販路開拓などの知識面の研修も充実させる。技術、知識両面から、全国一の面積を誇るスギ人工林を持つ森林県・秋田を担う人材を育成する。

研修拠点は県森林技術センター(秋田市河辺)に置く。講師はセンターの研究員、国や県の林業関係職員のほか、林業会社など民間からも派遣してもらう。

定員は1期15人。研修は1日6時間程度で、年1200時間。応募条件は検討中だが、若手育成の趣旨から、18~30歳程度とする方向。県民かどうかは問わず、幅広く人材を集める。

受講料は「公立高校の授業料程度」(県森林整備課)にする方向。林業就業希望者に年150万円支給される国の制度を利用し、生活の心配なく研修に打ち込めるようにする。

県森林整備課は「森の資源量は増えているのに、このままでは伐採できる人材がいなくなる。新しい技術を持ち、高い収益を上げられるプロの林業者を育てたい」と話す。

河北新聞