未利用木材で発電 官民連携で全国初 【兵庫県朝来市】

d_06560135兵庫県朝来市は9日、兵庫県産木材の燃料チップ製造工場とバイオマス発電所が、同市生野町真弓の生野工業団地の工場跡(約3・5ヘクタール)に建設される計画があることを明らかにした。発電規模は5千キロワットで、年間約5・4万トンのチップを活用。丸太の搬出からチップ製造までを県森林組合連合会と公益社団法人兵庫みどり公社が担い、発電は関西電力のグループ会社が手掛ける。

計画では、間伐などで森林内に放置された「未利用木材」を県内各地から搬出し、乾燥させて名刺大のチップに加工する。一般家庭約1万世帯分に相当する3700万キロワット時の売電を目指す。

未利用木材の買い取り価格は1キロワット時32円に設定されており、年間の売電収入は11・8億円程度に上る見込み。県林務課によると、官民連携で行う同様の事業は「前例がない」という。

事業は県が仲介役となり、林業振興を目指す県森林組合連合会とみどり公社、関電の3者が昨秋から勉強会を進めてきた。十分な冷却水と用地があり、木材集積地に近いなどの点から、朝来市が候補地に選ばれた。

2016年3月の稼働を目指す。県は間伐によって生まれる未利用木材を年間約10万トンと試算している。今回の計画で、その54%が有効活用できる計算となる。

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