一般社団法人木づかいビジネス協議会(東京都中央区、代表理事 鳥井龍吾)は、東北の被災地復興支援をデザインと木の力で行おうという主旨のもと、2012年に「復興支援 東北材デザインコンペ」を開催しました。東北の杉材や津波被害にあった木材を使うことを想定し、企業のノベルティや応援グッズとして幅広く活用できる商品デザイン案を募集し、232点の作品が寄せられました。
優秀作品を掲載したサイト「デザインバンク」を作成し、この中から製品化第一弾として「東北杉の和柄コースター」を今秋発売いたしました。
【デザインバンク】http://kizbiz.org/kizbiz06.htm
【製品写真掲載】http://kizbiz.exblog.jp/18987467/
■被災した方に雇用の場を提供し、経済的自立・精神的支援を
本デザインコンペでは、応募要件とて「東北の材」や「津波被害にあった木材」を主の素材として使うことを条件として挙げました。
これは、2年半を過ぎても未だ厳しい状況下に置かれた東日本大震災被災地の復興支援に向け、一時的なものではなく継続的な取り組み ――特に自立的な経済活動を支援すること――が大切と考えたためです。
東北材を活用した製品が流通することで、被災地をめぐる経済が活性化され、雇用を生み出し、生活の基盤を支えることで精神的な支援になる…一般社団法人木づかいビジネス協議会が描く復興支援のビジョンです。
■東北の杉に、和のパターンを描き出しました。ふれて、見て、使って。
暮らしを彩る和柄コースター。
今回、製品化した「東北杉の和柄コースター」は、デザインコンペの佳作を受賞した作品です。
全面に施されたレーザー彫刻の和のパターンと、杉の木目が繊細なデザインを生み出しています。
ガラスのコップを乗せても、茶托として使っても生活を美しく演出。ギフトや日本のおみやげとしても喜ばれる製品です。
同じ工程で作られても自然素材のため、杉の持つ色味や木目により、一つとして同じ物がないことがが、魅力です。インクや塗料を使用していないので、水滴もよく吸い取り、最終的に廃棄する時にも100%土に還ります。
製作・加工は南三陸の工房で行いました。ふれて、見て、使って、デザインと素材の良さを感じてほしい。暮らしを彩る和柄コースターです。
作者は浜松市在住のデザイナー、小粥千寿さん。「私自身の故郷、静岡県浜松市も杉の産地です。今回のコンペを通して、東北のみならず日本の森全体が活性化していけば、と思い応募しました。プロダクトで、様々な情報を伝えたいと思っています」と、コメントを寄せていただきました。
≪製品概要≫
商品名:東北杉の和柄コースター
仕 様:東北杉(集成材)、レーザー加工、無塗装
サイズ:80ミリ×80ミリ 厚み5ミリ
金 額:3,150円(5枚セット)/680円(1枚)
●麻の葉(あさのは)
「麻」の葉の形を連想する事から名づけられました。
麻は丈夫ですくすくとまっすぐに伸びることから、子供の産着に用いる風習があり、着物に限らず帯や襦袢、袋小物に頻繁に用いられました。
●捻じ梅(ねじうめ)
梅はふっくらとした花の形、芳香、独特の枝振りなどを、古くから愛されてきました。そのため絵巻・浮世絵をはじめ、多くの工芸品や着物の文様として、今でもよく登場する文様です。
●青海波(せいがいは)
書いて字のごとく、青い海原の大きな波を表現しています。日本だけでなく、エジプトやペルシャなど、世界各地で見られる文様。
日本でも古くから着物の柄として用いられました。
●矢絣(やがすり)
矢羽根(やばね)の形を表わした矢絣は明治になって大流行した文様で、単純で反復の様が美しい柄は染めの小紋などにも取り入れられていました。
矢絣の着物に袴姿は女学生の代名詞となりました。
●菱文様(ひしもんよう)
二方向の平行線が交差して出来た形「菱形」を基本とする連続文様です。
この形自体は縄文時代の土器にも描かれており、自然発生的に生み出された幾何学文様と考えられます。
※これらのグッズの売り上げの一部は「緑の募金」(使途限定基金)に寄付され、被災地の防災林等の森林整備、居住地域や学校周辺の緑化、および間伐材等による日用品の寄贈などに使われます。
■今話題の「木材利用ポイント」の交換商品にも登録予定(申請中)です!
当協議会では、木材利用ポイントの交換商品提供事業を行っています。
(事業者コード P037)
この「東北杉の和柄コースター」は現在、ポイントの交換商品として申請を行っており、12月からそのラインナップに並ぶ予定です。
木の利用を促進させることが目的のこの事業の中でも、復興支援に役立つ製品は多くはない中、よりダイレクトに復興支援ができる製品を送り出します。
■一般社団法人 木づかいビジネス協議会とは
2011年10月、森林や木材を利用したビジネス展開を進める中小企業、環境教育などを行うNPO、環境コミュニケーションに携わるクリエイター、マーケッターなどが集まり、地域材利用による環境貢献活動「木づかい運動」(2005年スタート、林野庁主催)を推進する主旨のもと、一般社団法人木づかいビジネス協議会を設立しました。
当法人が最も重要だと考えるのは「木の良さ」を伝えること。
そしていかに付加価値を付けて適正価格で市場に流通させるかということです。
そのため、より活発な「木づかい」の発信ならびに企業間のマッチング、イベントやセミナーの開催などに積極的に取り組み、森林環境の改善に寄与していきます。
【団体概要】
団体名:一般社団法人 木づかいビジネス協議会
所在地:東京都中央区日本橋箱崎町20-3 箱崎公園ビル5F
代 表:代表理事 鳥井龍吾
設 立:2011年10月
事業内容:木づかいの情報発信および普及広報活動、
企業と木づかいのマッチング事業
国産材製品の開発および販売事業
URL:http://kizbiz.org/