軽トラで放置間伐材集め 大台、森林再生目指す【三重】

PK2013111402100143_size0軽トラックで未利用間伐材を集めよう-。そんなユニークな取り組みが今月、大台町で始まった。山主や林業家以外にも活動に参加してもらうことで、林地残材の搬出量を増やし、森林を再生させようとしている。

大台町の林業家らでつくる「みえ林業経営グループ」が三日、委員会を発足させた。会員が町内の森林内から、間伐されてもそのまま放置されたスギやヒノキ、マツを〇・五~二メートルに切った上で運び出す。同町小切畑のMSPプレカット工場内に搬入し、集積させる。

集められた木材は建築用材にならない「C材」として、木質バイオマス燃料や製紙材料に用いられる。木材は搬入時に軽トラックごと計量し、木材チップ会社・宮川流通が一トン当たり三千五百円で買い取る。うち一割は事務経費に充てられる。

大台、大紀両町の三十~七十代の三十八人が会員登録した。十八日から搬入を受け付ける。

先進地の岐阜県恵那市や愛知県豊田市などでは、参加者に地元商店のみで使える地域通貨で支払う仕組みを採用。森林の再生と地元経済の活性化を目指す「木の駅プロジェクト」と呼ばれている。木の駅という名前は、農家が気軽に農産物を持って行ける「道の駅」にちなむ。

国が二〇〇九年に策定した森林・林業再生プランでは、間伐した木材を運び出す利用間伐を促進し、補助金も出している。それでも、作業道から離れた部分は搬出経費がかさむため、搬出されずに森林内に放置されてきた。

みえ林業経営グループ事務局の岡本惺(さとる)さん(66)が、需要が高まる木質バイオマス燃料に着目。退職後に時間に余裕のある同世代の参加を募ることで、健康づくりと仲間づくりの場にもなるとして発案した。森林を整備することで価値を高め、災害防止にもつながると考えた。

委員会会長の山本勝征さん(74)は「木材資源を活用して林業を活性化させたい。みんなで楽しく手入れをして、将来のためにいい山をつくろう」と、活動への参加を呼び掛けている。

問い合わせは岡本さん=電0598(76)0008=へ。

中日新聞