住友林業は、茨城県鹿嶋市の遊休地に太陽光発電施設「住友林業鹿島ソーラー発電所」を設置し、11月6日から稼動を開始した。同社グループ初の太陽光発電施設で、木製の架台を使ったのが特徴。同施設は、木質系住宅関連部材や住宅設備機器の製造販売を行う子会社の住友林業クレストの鹿島工場に隣接した遊休地に建設した。出力は876kWで、太陽光パネルはカナディアン・ソーラー製、パワーコンディショナー(PCS)は東芝三菱電機産業システム(TMEIC)製を採用した。
使用する太陽光パネルの架台には、住友林業が進める木化事業の一環として、自社で企画・設計・施工した木製架台を一部採用した。一般流通材、主に国産のスギ材を用いた。木製架台はシンプルな構成で必要となる強度を満たす架構となっている。また施設ごとに構造計算を行うことで敷地条件に応じた設計が可能という。木化営業部は、同社の木材・建材流通事業のもつ調達能力を活かし、地域材の有効活用も視野に入れて木製架台を事業化していく方針だ。
住友林業は、今年4月、再生可能エネルギー関連の事業化を目ざし、山林環境本部に環境エネルギーグループを新設した。太陽光発電事業は、年間発電量の長期的に安定的な収益が見込めることから、バイオマス発電事業に続く環境エネルギー事業として取り組んでいる。自社グループの遊休地の有効活用を検討するほか、保有する山林事業や緑化事業のノウハウを活かした施設提案を行っていく方針。