伐採木を希望込め活用 仮設住民ら木工製作 【宮城・東松島】

20131018041jd東日本大震災の防災集団移転促進事業を進める宮城県東松島市で、移転先造成地の伐採木を利用した木工品が誕生した。仮設住宅の住民らが参加するワークショップ形式で製作され、第三セクター「奥松島公社」が25日から試験販売する。市は「地元だけでなく、土産品などとして全国に広がってくれればうれしい」と期待する。

木工品は魚をかたどった鍋敷き(長さ約27センチ)とコースター(約7センチ四方)。木の素材感を生かしたデザインで、復興の願いを込めた「HOPE」と産地を示す「東松島」の焼き印を入れた。

公社の売店などで販売され、価格は鍋敷きが500円、コースターは250円。発売時はそれぞれ30個、140個を用意し、その後も生産を続ける。

木工品の製作は、東松島市などが企画したワークショップで進められた。大量に発生する伐採木の有効活用を図るとともに、被災者が働く場やコミュニケーションの機会を設ける狙いだ。

仮設住宅などで参加を呼び掛け、7月に製作が始まった。6回目となった18日は市コミュニティセンターに10人が集まり、包装や商品カード貼り付けなどの仕上げ作業に取り組んだ。

大塩地区の仮設住宅に住む主婦伊藤洋子さん(69)は「木工品を作るのは初めてで難しかったけれど、出来栄えには満足している。多くに人に使ってほしい」と願う。

原料は、市と森林資源活用協定を結んだ合板大手「セイホク」(東京)が伐採木を加工した合板などを利用。市内の木工品会社が参加者の指導に協力している。

東松島市復興政策課は「製作に携わった被災者にお金が回る仕組みをつくり、木や森をまちづくりに生かしていきたい」と話した。連絡先は奥松島公社0225(86)1511。

河北新報