コマツが林業支援 粟津工場燃料に小松産木材【石川県】

HT20131010401建機大手のコマツは9日までに、創業地小松の林業を支援するため、粟津工場のボイラ ー燃料を重油から小松産木材に切り替えることを決めた。かが森林組合が木材を供給する 。粟津工場は来春、木材チップを燃料とするボイラーを試験稼働させ、来年度以降、年間 約3千トンの木材チップを消費するシステムを導入する方針である。

コマツの野路國夫会長が石川県小松市内で北國新聞社の取材に応じ、従来の農業支援に加えて 林業支援にも本格的に取り組む計画を明らかにした。

小松市によると、市内の間伐材は一部しか利用されておらず、多くが貯蔵されたままと なっている。コマツが年間約3千トンの木材チップを利用すれば、チップの元となる間伐 材は1万~1万5千立方メートルが消費されることになる。

粟津工場がボイラーの燃料として使用している重油は、価格高騰が続いている。試算に よると、燃料を木材チップに切り替えることで、燃料費を従来よりも圧縮することができ るという。来年度以降の本格運用で導入する「バイオマスボイラー」で、工場内の発電も 賄う。

コマツは、間伐材の消費を拡大することで小松の里山が整備され、農家が悩むイノシシ 被害対策にもつながると判断し、今年6月から、かが森林組合と協議を重ねてきた。

コマツは小松市、JA小松市と連携協定を結んで地元農産物の加工、販売に取り組んで いるほか、粟津工場に加えて東京本社の社員食堂で小松産米を使うなど、創業地の農業支 援に積極的に取り組んでいる。

野路会長は粟津工場だけでなく、コマツの協力企業にも間伐材の

利用を呼び掛けたいとし、「まとまった量の間伐材を使うことで、伐採や運送で新たな雇 用が生まれる。地域を元気にするため、農林業支援を続けていく」と話した

北國新聞