新潟市秋葉区田家3に4月にオープンした「Akiha里山子育て支援センター森のいえ」が“自然派親子”の人気を呼んでいる。その名の通り、メインフィールドは草木が生い茂る森の中。子どもたちが豊かな自然の中で思い切り遊ぶことができる。こうしたタイプの支援センターは全国的にも珍しく、同センター長の原淳一さん(37)は「自然の中で生き物の大切さを学んでほしい」と話す。【柳沢亮】
子育て支援センターは、少子化、核家族化が進む中、子育て中の親と子が他の親子と交流できるように設けられた施設で、県内には各市町村が計約190カ所を設置している。通常は児童福祉施設や医療施設などに置かれている。森のいえは、原さんが代表を務めるNPO法人「アキハロハスアクション」が新潟市の委託事業として運営する。スタッフは保育士や看護師ら10人。このうち3〜4人が常駐する。
屋外の約1000平方メートルの敷地には、ハンモックや丸太などの遊具、ザリガニが放流してある池、砂場などがある。すべて職員の手作りだ。子どもたちは、思い思いに敷地内を駆け回り、池では洋服をびしょびしょにぬらし、砂場では泥にまみれる。四季に合わせて落ち葉や雪で遊ぶこともできる。2歳の次男、福丸君と訪れていた同市東区豊の高桑清美さん(34)は「のびのび育てられるし、子どもも生き生きしている。子どもは外で育てるのが一番」と話した。
原さんの元々の仕事は造園業だ。環境について学ぶためドイツへ行った際、「自然の中での子育て」が日本より進んでいることを知った。「日本では自然体験する場所が減っているが、愛着形成が必要だ」と開設を思い立ったという。同センターの支援方針の一つに「小さな刺激とリスクを排除せず、子どもたちの経験と成長の機会を奪わない」とある。原さんは「多少のけがや痛みを感じながらでも、遊びを通して五感を育んでほしい」と考える。
利用時間は、火〜金曜、第2・4土曜、第1・3日曜午前9時〜午後2時。利用対象年齢は0〜3歳だが、土、日曜のみ6歳まで可能。問い合わせは同センター(0250・47・4331)まで。