【北海道足寄】九州大学北海道演習林勤務の馬渕哲也さん(61)が、全国大学演習林協議会の森林管理技術賞特別功労賞を受けた。演習林の現場で業務に尽力する一方、研究発表や地域貢献を約40年続けた地道な積み重ねが評価された。
演習林を持つ全国の26国公私立大の職員が対象。馬渕さんは2000年にもカラマツの育成技術研究で、森林管理技術賞を受賞している。
足寄町出身で、1974年から同演習林に勤務。伐採などを担当する傍ら、林学研究にも意欲的に取り組んできた。「高校生のころから森林生態に関心があった」と言い、カラマツや広葉樹などに関する55本の論文を発表。林学会の最高峰・日本林学会論文集にも成果が掲載されている。
また、全国の学生対象の職場インターンシップで指導したり、町内の木質ペレット製造など産官学連携事業にも参加してきた。
表彰式は9月19日、鳥取市で開かれた同協議会総会の席上で行われた。
馬渕さんは「平日は実務、論文は主に休日に執筆した。受賞は家族の深い理解のおかげです」と述べた。久米篤林長も「林学は長期間努力して実る分野。科学者の視点で現場を見つめ続け、成果を地域還元してきた功績を高く評価したい」と労をねぎらった。