神奈川県横浜市南区の清水ケ丘公園で、緑化事業のための募金のお礼にプレゼントされる苗木が人気を集めている。公園のシンボルで市内出身の人気デュオ「ゆず」ゆかりの木としても知られるエノキの苗木で、公園には全国からファンが訪れているという。
「ゆずの木はどこですか」。十数年前から公園に若者が訪ねてくるようになった。当初は「ユズもキンカンも、公園にかんきつ類はありませんよ」と答えていた職員もいたが、探していたのは公園内のエノキだった。
小高い丘に悠然と立つエノキは、ゆずの音楽ビデオやCDのジャケット写真に登場し、ファンから「ゆずの木」や、曲名にちなんで「からっぽの木」と呼ばれている。テレビドラマやCMのロケ地としても有名で、エノキを見るために公園を訪れる人も多い。
「せっかく来てくれるのだから、何か喜んでもらえるものがあったら」。職員らが考えたのがエノキの苗木だった。
2年前の秋、実から種を採り、昨年4月に種をまいた。数週間で発芽し、順調に育ったことから、「よこはま緑の街づくり基金」に100円以上募金してくれた人へのお礼として、去年9月からプレゼントを始めた。募金は、横浜市内の緑化事業などで使われるという。
配布された苗木は、これまでに約190本。北海道や鹿児島県から訪れたファンもいる。清水ケ丘公園を管理する横浜市緑の協会の担当者は「何がきっかけであっても、緑に関心を持ってもらえることはうれしい」と話している。
募金の問い合わせは、清水ケ丘公園事業所電話045(243)4447。