世界の水害被害100兆円にも

01地球温暖化による海面水位の上昇などで世界各地の沿岸部にある大都市では、水害による経済的な損失が拡大していき、このままでは2050年には年間で100兆円近くに上るという試算を国際的な研究グループがまとめました。

フランスやイギリスの研究者によるグループは18日、イギリスの科学誌「ネイチャー」の関連雑誌に、世界136の沿岸部にある都市での水害による被害額の試算を発表しました。
研究グループは、地球温暖化による海面水位の上昇などで、経済成長と人口増加が続く大都市では、洪水や高潮などの水害による経済的な損失が年々、拡大していくと指摘しています。
そして堤防のかさ上げなど対策を強化しなかった場合、被害総額が2050年には年間、少なくとも1兆ドル(日本円で100兆円近く)に上るとしています。
このうち最も被害額が大きくなるのは中国南部の広州市で132億ドル、続いてインドのムンバイが64億ドルなどとなっています。
日本では名古屋市が最も大きな被害を受けるとして6億ドル余り(日本円でおよそ630億円)と試算しています。
こうした水害を巡っては去年10月、ハリケーンが襲ったニューヨークで地下鉄の浸水や大規模な停電が発生して大きな被害が出ており、沿岸部の大都市では水害対策の強化が求められています。

NHK News web