倒木に植菌しキノコ栽培 県森林研究所が新技術

2013/3/3

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岡山県農林水産総合センター森林研究所(勝央町植月中)は、キノコの原木栽培を省力化する新技術にめどを付けた。従来のように組んだ丸太(ほだ木)を用いるのではなく、倒した樹木にそのまま植菌して栽培するという「逆転の発想」。農家の大幅な負担軽減につながる手法として、2014年度以降の本格導入を目指す。

 新手法は、横倒しした広葉樹の余分な枝を落とし、チェーンソーで幅8ミリ、深さ5センチほどの切り込みを入れて菌を植え付け、そのまま育てる。シイタケによる2年間の試験栽培では、収穫は年平均で1立方メートル当たり50キロと、通常栽培の30キロを上回る結果が出た。

 散水で湿度をコントロールする通常栽培に比べ、横倒しの木が地面の水分を吸収するため湿度管理が難しいものの、手間がかからず、丸太に適さない太い木でも栽培できるメリットがある。同様の方法はこれまでもあったが、湿気を好むナメコなどの一部の品種に限られていた。今後も試験を重ね、最適な栽培環境を探る。

山陽新聞


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