2013-2-6
諏訪市の大和区と地権者で構成する大和里山整備委員会が、区内の森林で間伐を進めている。荒れていた山の整備に地域挙げて取り組み、里山再生を目指す。財源には県の「森林づくり県民税」(森林税)を活用し、今年度から2カ年で完了させる。
諏訪地域を襲った2006年7月の豪雨災害などを教訓に土砂災害防止を図る。区内には森林組合といった組織がないため、昨年7月に区や地権者の代表ら25人でつくる同委員会を発足、「昔は薪を取っていたが、今はほとんど手が入らない状態」(宮野孝樹委員長)という里山の整備に乗り出した。約150人に上る地権者の同意の取りまとめなどを行い、12月から業者が間伐作業を始めた。
範囲は隣接する下諏訪町境から諏訪市湯の脇境までの約40ヘクタール。樹齢50年程度のカラマツをはじめ、アカマツや広葉樹など混在する木々を3~4割間伐する。残した木に日光を十分に当てて生育を促し、根を強く張らす。費用負担を考慮し、伐採した木は搬出しないという。
事業費は2カ年で約1000万円を見込み、財源には県の「みんなで支える里山整備事業」の補助金を充てる。森林税活用分を含め県と国が9割を助成し、諏訪市も一部補助する方針。
作業の音などが諏訪湖周辺で冬を過ごすオオワシ「グル」の生息に影響を与えないよう2月から中断しており、3月上旬に再開する予定。「しっかりとした森林をつくって災害を防止したい」と、区総代でもある宮野委員長(69)。「農作物への動物の食害防止や、地元の子どもたちの森林体験の場にもなれば」と話している。
県諏訪地方事務所林務課によると、「みんなで支える里山整備事業」を活用して森林整備するのは08年度以降、大和区を含め諏訪地域で26カ所。今年度末までに計約750ヘクタールを見込む。諏訪市内では5カ所目で、湖南など「西山」地域以外は初めて。
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