「間伐で山を再生」 百数十人保全作業

2012年10月28日

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●豊田、ボランティアデー

 全国一斉ボランティアの「メーク・ア・チェンジ・デー」だった27日、豊田市の香嵐渓に近い山中で百数十人が「水源の森づくり」の作業をした。間伐で山を再生し、自力で自然観察エリアや散策遊歩道を作ろうという活動で、今年で8年目。来年には周回コースが通じるめどが付いた。
 活動を続けているのは、ともに下流域の刈谷市に本社があるデンソーユニティサービスと建設会社角文(かくぶん)の従業員と家族ら。愛知万博閉幕後の2005年秋から毎年2回、休日を利用して一斉に山に入り、角文が所有する約110ヘクタールの森林で作業を続けてきた。
 ヒノキ林では主にチェーンソーで間伐。作業にまだ慣れていない人たちは、切り方を教えてもらいながらノコギリで参加した。切り出した間伐材は3メートルほどに切り分けてかつぎ、これまでに造った谷沿いの遊歩道から運び出した。
 遊歩道造りをする班は、尾根に続く急傾斜地に間伐材で階段をつけた。渓流に渡した橋は数年で腐るので、撤去と新造作業も繰り返す。子どもたちのために、自然観察会や木工工作教室も開催した。
 昨年は「水源の森づくり友の会」をつくり、この山で森林保護のための「森の職人コース」や、自然観察の案内人を養成する「森の博士コース」の講習会も始めた。「300年続く森づくり」と位置づけて、長期的に取り組む体制を組んでいる。(六郷孝也)

朝日新聞


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