2012年11月02日
間伐材を山林所有者から地域通貨「モリ」で買い取り、流通を促す「木の駅プロジェクト」が1日、京都府京丹後市で始まった。市内3カ所に木材の集積場がオープンし、林業や環境保全に携わる市民らが計7トンの間伐材を運び込んだ。
市や府、丹後地区森林組合、環境NPOでつくる実行委員会が実証実験として始めた。
間伐材170キロを、相場の約2倍にあたる千円分の地域通貨(1モリ)で買い取る。採算が合わず放置されてきた間伐材を、木材チップや薪(まき)の製造会社に一括売却する。
集積場は、大宮町河辺、弥栄町吉沢、久美浜町永留の3カ所に12月2日まで置く。
この日、同市大宮町河辺の集積場で開設式が行われ、事前に出荷者として登録した林業家やNPOの会員ら約20人が集まった。切り出した長さ約2メートルのスギやヒノキの丸太を次々に持ち込んだ。農林業に携わる同町延利の岡田孝さん(72)は「これまでなら捨ててきた木材もお金になる。人の手が入り、森を守ることにつながる」と期待を込めた。
地域通貨は、市内58の飲食店や商店で商品券として使える。問い合わせは事務局の市農林整備課TEL0772(69)0430。