森林荒廃「海に打撃」

2012年10月30日

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◆松永名誉教授 出雲で講演◆

「魚を育てる森」が中学の国語教科書にも採用されている北大名誉教授の松永勝彦さんが28日、出雲市内で「森が海に果たす役割」のテーマで講演した。神戸川最上流の中国電力来島ダムの江の川への分水に反対する神戸川再生推進会議(林要一会長)が主催した。

松永さんは、国内の沿岸で問題になっている海藻が消滅する「磯焼け」の原因が森林の荒廃だと指摘し、森林の腐植土から川を通じて海に栄養素が供給されないと、植物プランクトンが育たず、動物プランクトン、魚介類も減ってしまう連関を写真を使って説明した。

松永さんは豊かな海を取り戻すためには間伐などにより、腐植土を蓄える森づくりを進め、栄養素を運ぶ河川も改善する必要があるとした。川の水が滞留すると栄養素が失われてしまうため、水量の確保と流速を速めることが重要だと強調した。(岡田和彦)

朝日新聞


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