間伐材に浮き彫り 「アート信州」が製品化

2012年8月7日

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ガラス工芸の表面彫刻などに使われる「サンドブラスト」の技法で、カラマツや杉の間伐材に浮き彫りを施した壁板を、木彫工芸の「アート信州」(塩尻市洗馬)が製品化した。東信地域で建設中の公共施設への納入が決まっており、代表の塩原博文さん(52)は「間伐材の建築用材の用途を広げたい」と期待している。

 サンドブラストは研磨剤を圧縮空気で吹き付け、ガラス表面などに彫刻、装飾を施す。塩原さんは独自に技法を習得し、二〇〇五年にアート信州を設立。工芸作品などを手掛ける一方、技法の木材への応用を試みてきた。

 浮き彫りの壁板は「付加価値をつければ間伐材の建築用材としての用途が広がる」と製品化。木目を生かした工芸作品のような出来栄えで、塩原さんは「学校などの耐震補強に合わせ、ガラス装飾を転用するなどの需要も見込める」と話す。

 加工費用はデザインや細工によって異なり、一平方メートル当たり六万~二十万円。手彫り細工に比べ三分の一~二分の一という。

 アート信州に間伐材を提供している長野森林組合(長野市)によると、県産間伐材はくいや矢板など土木用材の用途が多い。担当者は「コスト面で直ちに住宅建築に採用されるか分からないが、木製サッシなど間伐材の用途を広げる一つにはなるのではないか」と評価している。

中日新聞


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