2012年08月08日
岡山県真庭市は、立木を間引く際にできる間伐材を燃料にした国内最大のバイオマス(生物由来の資源)発電所建設に乗り出す。官民共同で出資して発電会社を設立し、市内の一般世帯数を上回る2万戸を賄える電力(出力1万キロワット)を発電する。担い手の高齢化で手入れされない森林の荒廃は深刻だが、再生可能エネルギー固定価格買い取り制度が今年7月に始まったのを機に、まちぐるみで雇用創出と森林再生につなげる新しい林業モデルの確立に挑む。
同市は面積の7割が森林で製材業者約30社も集まる。00年代から製材くずを固めたペレットや間伐材を燃料に活用し、市内のエネルギー消費の1割を森林資源に頼るバイオマスタウンの先進地になった。
発電は、製材くずを原料とした固形燃料・ペレット製造国内最大手の地元集成材メーカー「銘建工業」が提案した。真庭森林組合▽製材業者で作る真庭木材事業協同組合▽真庭市などが会社設立に加わる。資本金は2億〜3億円とし、既に製材くずを燃料にした発電所を持つ銘建工業が半分を、真庭市が2割を出資する方針だ。