金沢産スギの間伐材を利用した墓参り用の板キリコが完成した。伝統的な箱形に比べ、 持ち運びの手軽さなどから需要が高まる板キリコに地元産材を有効活用し、森林保全につ なげる。7月の新盆に向けて順次、市内スーパーや生花店などの店頭に並ぶ計画で、消費 者に木材の「地産地消」を呼び掛ける。
キリコの大きさは、一般的な板キリコと同じ幅7センチのタイプと、やや分厚い幅9セ ンチの中キリコの2種類。表面には「南無阿弥陀佛」や「南無妙法蓮華経」と書かれ、材 料であるスギの香りが漂う。価格は100~150円となる見通しである。
従来から県産材で板キリコを生産していた中本製箸(湊4丁目)が、墓参にキリコを持 参する風習が金沢近郊であることから、材料も金沢産材にこだわろうと製造。市が材料確 保やPR用のポスター製作を支援した。
墓参用キリコは、細い木枠に紙を張った箱形が一般的だが、近年は持ち運びの手軽さに 加え、価格や後始末などを考え、板キリコのニーズが高まっている。
中国産材による板キリコが流通する中、同社と市は「金沢ブランド」のキリコ利用を呼 び掛ける方針で、中本実会長は「先祖が育てた森への恩返しに一番ふさわしい。環境保全 に役立つと思い、ぜひ手にしてほしい」と話している。
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