県営水道に環境省認証 小水力発電でCO2削減

2012年6月3日
saifu
県営水道の小水力発電が、カーボンオフセット制度の投資対象プロジェクトとして
環境省の認証を受けた。水道事業者が認証を受けたのは全国初。制度は、企業などが
削減できない二酸化炭素(CO2)の排出分を、環境プロジェクトに投資することで相殺でき、
社会全体で効率的な排出削減が可能とされている。

県営水道の小水力発電は、二〇〇八年から東部区域水道事務所の釜戸減圧槽(瑞浪市)で実施。
発電量は年間七十五万キロワット時で、このうち八割を中部電力に売電。残り十三万キロワット時を
事務所の照明などに活用している。
電力会社から購入する電気は発電時にCO2を排出しているが、小水力発電では排出ゼロ。購入する
必要がない十三万キロワット時で、〇八年度から昨年度までの三年間にCO2百七十六トンを削減したと、
環境省は認証した。削減分は「オフセット・クレジット(J-VER)」として市場で売買の対象となる。

県水道企業課は「水道事業は揚水設備や浄化槽、二十四時間の監視体制などで電力消費量が非常に多い。
今後も率先して省電力やCO2削減に取り組みたい」としている。
県内のカーボンオフセットプロジェクトは、森林の間伐や木質バイオマス燃料の利用など九事業で、
削減量は計三万三千七百五十トン。ただ、実際に販売できたのは約百九十トンにとどまっている。

制度をPRして販売につなげたいと、県は五月から無料相談を受け付けている。六月十八日には
岐阜市橋本町のじゅうろくプラザで、企業や自治体の担当者向けにJ-VER活用セミナーを開催する。
(多園尚樹)

中日新聞


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