炭焼きで山を守ろう

2011年12月22日
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美馬市脇町の山間部にある江原北小学校の5、6年生が総合的学習で炭焼きに取り
組んでいる。近い将来に発生するとされる南海地震で土砂災害が起きないよう、山
の荒廃を食い止めたいと考えたからだ。間伐材や放置竹林の竹を炭にして販売する
ことで山の手入れの大切さを訴えている。

 3年前、当時の5、6年生が総合的学習で南海地震について学んだ。内陸で津波
の恐れはなくても、震度5の強い揺れに見舞われると知った。校区内を調べる
と、地滑りや崖崩れが起きそうな山がたくさんあった。それから森林の手入れを地
域の人に呼びかけることが毎年の5、6年生のテーマになった。

 住民グループの指導を受けながら、2年前にドラム缶で炭焼きを開始。児童は自
ら山に入って間伐をし、炭を作った。昨夏には本格的なれんが造りの窯を校内に設
けた。年に数回焼く炭を地区の産直市で販売し、収益の一部で学校の周りに木の苗
を植えている。

 19日の5時限目。5、6年生22人が、窯からでき上がった炭を取り出す班と
次回に焼く竹を用意する班に分かれ、作業をした。窯出しは今年4回目。慣れた手
つきで窯の入り口の壁を崩し、炭を丁寧に運び出した。竹は焼きやすい形に次々と
ナタで加工。先生はほとんど手を貸さなかった。

 窯出しの作業中、6年生の佐藤光祐君(11)と沢口大輔君(11)は「きれい
な大きな炭が少なかった」と少し残念そうだったが、最後に全員でこの日の作業に
ついて話し合い、「大きさや形じゃない。協力、分担して炭作りが出来たのは良
かった」とまとめた。

 5年生担任の藤岡浩教諭(38)は「児童は炭焼きで自然の大切さを知り、難し
い作業をやりきる粘り強い心や協力しあう気持ちも培っている」と話す。

asahi.com


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