森林鉄道 夢を形に   飯田・遠山郷住民ら 復活へ作業

2011年12月5日
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飯田市南信濃と上村両地区の遠山郷で木材搬出に活躍し、1973(昭和48)年に廃線となった遠山森林鉄道(総延長30・5キロ)を現代によみがえらせよう―と、住民らが復活に向けた作業を進めている。林業で栄えた遠山郷の歴史を後世に伝え、観光など新たな形で地域の活性化に役立てる取り組みだ。

 1月に発足した「夢をつなごう遠山森林鉄道の会」の会員らが、廃線後に近隣住宅で屋根の重しに使われていたレールを各家庭に依頼し回収。軌道に敷く砂利や枕木用の材木は地元企業から提供を受けた。11月下旬までに、鉄道の発着所だった南信濃木沢の「貯木場跡地」にある観光施設「梨元ていしゃば」に50メートルの線路も敷設。同所に展示していたディーゼル機関車の整備にも取り掛かっている。

 会員は70人。地元のほか、東京、愛知、大阪などからも森林鉄道に思いを寄せる人たちが参加している。約20年間、林鉄の保線をしていた地元の原田広明さん(79)は「廃線はとてもさみしかった。復活の話を聞いた時は涙が出るほどうれしかった」と話す。

 「来年には機関車を動かしたい。将来は線路を400メートルまで延ばし、車庫や休憩所も作りたい」。同会長の前沢憲道さん(63)の夢は膨らむ。

[写真・文 渡会浩]

信濃毎日新聞


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