佐川急便、グループの佐川林業が高知・徳島の森林でオフセット用排出枠を取得

2011年9月30日
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佐川急便を傘下に持つSGホールディングスグループで森林所有・管理・保全を手掛ける佐川林業は、高知、徳島県で管理する森林が、環境省のJ-VER制度で温室効果ガス吸収源と認められ、5612tのオフセット(相殺)用排出枠を取得した。運輸・物流企業グループで初めてとなる。今後、グループ内で排出枠を有効活用する方法を検討し、森林・環境への関心を高める活動を進める。

 佐川林業は、高知、徳島県に計7カ所、685.35haの森林を持ち「さがわの森」と名付け、地元の森林組合と森林育成・管理、保全活動を展開している。大半が杉、ヒノキの樹齢が均一な状態の単層林で、平均樹齢は50年を超えている。2009年5月に、間伐・植林などの森林管理プロジェクトによる温室効果ガス吸収量がJ-VER制度の対象に加えられたことから、2010年3月に申請した。

 J-VER制度は「オフセット・クレジット制度」とも呼ばれ、環境省が日本の温室効果ガス削減を目的に2008年11月に創設した。国内での自主的な温室効果ガス排出削減・吸収プロジェクトで実現した排出削減・吸収量を認証する。排出枠として認められると、カーボン(CO2)オフセットに活用でき、市場に流通させることも可能になる。SGホールディングスは取得した排出枠を社会貢献活動に利用する。

 佐川急便は、東京都八王子市の高尾に約50haの森林を保有し、森林整備・保全プロジェクト「高尾100年の森」を2007年に始めた。従業員や家族、一般を対象にした自然体験学習など環境教室を定期的に実施し、森林の重要性を訴えている。SGホールディングスは排出枠の取得を機に、森林保全や環境プロジェクトを一層推進していく。

ECO JAPAN


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