企業とタッグ、環境林作り 宮川森林組合

2011年7月3日
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大台町の宮川森林組合は、町内の森林による二酸化炭素(CO2)吸収量を企業などに売却し、得られた資金で広葉樹に特化した植樹を展開する「カーボン・オフセット植樹事業」を始めた。
 企業にとっては、社会貢献活動として植樹を行うと同時に、取得した吸収量で排出するCO2を相殺できる利点がある。環境を重視した森林を作るために県や町が補助金を投入しているが、今回の取り組みで、民間による環境林作りが加速すると期待される。
 同組合は、2008~10年に300ヘクタールの森林を間伐するなどして整備。環境省から、整備した森林で5287トンのCO2を吸収できると認証を受けた。CO2の吸収量を売買する「オフセット・クレジット制度」の認証を受け、企業と契約するのは、東海三県の森林組合では初めて。
 同組合は2日、富士通中部システムズ(名古屋市)と売買契約を結んだ。同社は秋にも、実際に吸収量を購入。組合は同社からの資金で、ケヤキやシイなどの広葉樹を植樹する。
 同社は07年から、社員やその家族が同町内で植樹活動を続け、組合に苗木などの経費を支払ってきた。今後は、植樹することで、森林の創造とグループ内でのCO2相殺の二つが可能になる。
 会見で、細渕淳輔組合長は「広葉樹植栽を理解していただき感謝している」とあいさつ。小原恒明社長は「森林保全の活動を拡大したい」と述べた。
 (戸川祐馬)


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