2011年7月2日
東京電力福島第一原子力発電所の事故を受けて、警戒区域となっているおよそ10キロ離れた2つの町で、先月、放射線量を調べた結果、全体的にアスファルトの道路より田畑や森林のほうが高いことが分かりました。
この調査は、内閣府と文部科学省が、先月13日から10日余りかけて「警戒区域」に指定され、住民が避難している原発からおよそ8キロの浪江町のJR浪江駅と、およそ10キロの富岡町のJR富岡駅の周辺のそれぞれ400の地点で行い、地面からの高さが1センチと1メートルで放射線量を調べました。その結果、最も高かったのは、富岡町では駅から北西に2キロ離れた舗装していない道路の上1センチのところで、1時間当たり39.1マイクロシーベルトを、また浪江町では駅から西におよそ1キロ離れた山林の地上1センチのところで1時間当たり25.4マイクロシーベルトをそれぞれ観測しました。
今回の調査では、全体的にアスファルトの道路や駐車場の上は線量は低く、大半が数マイクロシーベルトで、一方、田畑や森林などでは線量が高くなる傾向にあり、放射性物質はアスファルトの上では雨に流されやすいものの、土や植物の上では付着しやすいためだとみられています。政府は、来月下旬までに警戒区域と計画的避難区域の合わせて3400か所余りで放射線量を調べるほか、放射線が比較的高く出る住宅の庭や雨どい、それに道路の側溝などでも調査を行って、線量を減らす対策に生かすことにしています。
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