Bamboo saves the earth(1) 地域活性に竹を利用

2011年5月17日

 今回から十回の連載を担当してもらう「Bamboo saves the earth~竹は地球を救う~」。初回は植物の中でも「竹」に着目したユニークな活動をするきっかけを語ってもらった。
 当団体は全国的にも珍しい竹に特化して、さまざまな活動をしています。この市民活動を通じて知り合った方々にいつも「なぜ竹なのか?」「なぜこの活動を始めたのか?」と聞かれることが多いので、まずきっかけを書きたいと思います。
 今は積極的に環境活動や市民活動に関わっていますが、もともとはボランティアや市民活動、環境活動とは縁遠い人間でした。
 竹に魅せられたのは七年前、義理の父に連れられて行った呉羽山で、初めてのタケノコ掘りでした。それはそれは楽しいもので、山の幸を自分自身で見つける喜びや収穫する喜びを教えてもらい大変楽しく、おいしい時間を過ごしたのを覚えています。
 しかし同時に竹林の危なさや怖さも体で感じたのです。掘るポイントは里山の奥まった場所にあります。たどり着くまでに、かろうじて人の歩けるような道を登るものの、雪での折れ竹や枯れて倒れた竹をかき分けて入り、さらに右も左も光を遮られて暗闇状態の中を顔や体に傷をつくりながら竹林へ入ったため、危なさも体で覚えました。
 まさにおいしいけれど、危なくて厄介な植物との出会いでした。その後、書籍やインターネットで竹やタケノコを調べると、地面に光が入り傘を差して歩けるくらいの竹の間隔が一番タケノコがよく生えること、さらに全国的な問題で厄介者であることが判明。
 竹は昔から生活必需品として活用されていましたが、現在はプラスチックなどの化学製品が主流となり、竹素材を扱うことが少なくなっているとのこと。
 それでも七夕やほうきなど、今でも必要不可欠で重宝されていることも分かりました。私の頭の中で「厄介者である竹を伐採すると山の持ち主が喜ぶ。その竹をイベントなどで利用すると地域の人や子どもが喜ぶ関係を築けるのでは」と思いました。
 本来富山商工会議所青年部でイベントなどをするのが好きな私は「竹を地域活性化のためのイベントなどに利用しながら自分も楽しもう」と思いたったのが活動の始まりで、里山保全や地域活性化に向けた市民活動のきっかけなのです。 (Bamboo saves the earth~竹は地球を救う~・渋谷秀樹)
PK2011051702100063_size0-12011年5月17日 中日新聞


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