深刻化するニホンジカの食害から希少な樹木を守ろうと、四国森林管理局徳島森林管理署などが3日、剣山系に自生するシコクシラベやゴヨウマツに防護ネットを設置した。
管理署の職員や県内のNPO法人・剣山クラブの会員ら26人が参加。一の森ヒュッテから槍戸山周辺の約1キロに自生する70本の幹や枝にプラスチック製のネットを巻き付けた。ネットによって、シカが皮を食べるのを防ぐことができるという。
シコクシラベは剣山系と愛媛県の石鎚山系にしか群生地のないマツ科の希少樹木。シカの被害で枯死する木が目立ち始めたため、管理署は2008年から防護ネット設置による保護活動を行っている。ゴヨウマツは今春、被害が確認されたため、今回初めてネット設置を行った。
管理署は「今後も希少種を保護するため、ネット設置などの食害対策に取り組んでいきたい」としている。
【写真説明】防護ネットを設置する参加者=一の森山頂付近
<徳島新聞(2010.11.04)>