独立行政法人産業技術総合研究所中国センター(東広島市)や岡山県、岡山大などが、産学官で間伐材を活用した工業用素材の製造に乗り出す。2013年度をめどに真庭市に実証工場を建設し、付加価値の高い素材を量産する技術を確立して林業の活性化につなげる。
木のナノサイズの繊維は強い構造を持ち、鋼鉄の約5倍の強度がある。産学官チームは間伐材や廃材を砕いて分解し、幅約500ナノメートル(ナノは10億分の1)の繊維を実証工場で製造する。
工場は真庭木材事業協同組合が運営する未利用材の集積基地に設ける。繊維を樹脂に混ぜて高強度プラスチックも生産。年間1300万トンの市場を狙う。
生産した高強度プラスチックは企業に提供し、製品を作ってもらう。産総研中国センターの小田喜一コーディネーターは「間伐材の活用を促し、森林保全につながる事業モデルを構築したい」としている。
【写真説明】実証工場の建設を予定する間伐材の集積基地(真庭市提供)
<中国新聞(2010.11.05)>
タグ: 岡山大学, 独立行政法人, 産業技術総合研究所中国センター